クレモナスケッチ 暖炉のそばで

ここ最近、クレモナスケッチ流というか、
そう言った文体で書けていなかったので
久しぶりに雰囲気を思い出しながら書いてみます。

暖炉のそばで、なんてタイトルにしたものの
暖炉なんてない。もちろんイタリアに住んでいた時もなかった。
ときどき、あればいいナと想像はするものの
そこに住みたいとは”快適さ”を天秤に乗せると、やはり思えない。


本日は魂柱作りを始めてしまったので
黙々とアベーテ(木の名前)を割る。割る。割る。

先に出張のついでに調達してきた十分にシーズニングされた表板。
音の響きもとりわけいい物を選んだのだが表板には使わない。

IMG_1564.jpg

DSC03264.jpg


魂柱を作るのに使う。

何故割るかというと…
誰しも何度か経験があるだろう。わりばし。
パキっと割ると綺麗に割れる物と、片方だけ小さな旗みたいになり
もう片方が斜めにとんがってしまうアレ。

木の繊維と木取りが真っ直ぐになっていない為に起こる現象。
木を使った製品を作る上で、繊維の流れに沿って木取りをすることは
理想的なのでまず割る。切ると繊維の流れが解かりにくくなる。

割りばしの切れ目は真っ直ぐ入っているのに
最後まで綺麗に真っ直ぐ割れない物があるのは
切って作られているから。

IMG_1565.jpg

このように、まだ側面の線と繊維が並行していないので
更に繊維に沿うように割って真っ直ぐな木取りの材木にして行く。

こうして”割り”だけである程度の大きさに揃えた物を
繊維に沿って鉋を掛け、角材から丸棒状へとひたすら削っていく。
大して難しい作業ではないが手間はかかる。
そして、無駄も多い。
年輪の幅や、使いたい部分も様々で欲しいところだけ残るように割っていく。

端から端まで繊維が真っ直ぐという事は
振動伝達においても大切な事なので
手間がかかってもその意味はある。

なので、パッカパッカ割ります。
で、この要らなくなった部分を…

パチパチ燃える暖炉にポイっとくべたいのです(笑)
あ~、長い前ふりでしたね~。

まぁ、この割る作業は
いってみれば下仕事の下仕事なわけで、あまり考えることもなく
無心でナイフに木槌を打ちおろします。
時間のある時に暖炉の側でしたい作業です。 が
そんなものはないので黙々と作業を進めます。

IMG_1569.jpg
こちらは1965年伐採の木からのもの。

魂柱。イタリア語ではanima(アニマ)といいます。
魂という意味のほかに”芯”という意味もあります。
魂という解釈は詩的ですが本来は音に芯を与える物という意味です。

日本語では魂の柱と書きます。
英語では音の柱と書きます。
この小さな部品にバネという単語を使う国もあります。
これは構造学的な事に起因します。

なくてはならない部品です。
そして、既成品の魂では力及ばずな場合もあるので
手間でも一から削り出します。


贅沢に要らない部分を割っていくので
それをポイっと放れる暖炉。
冬の地味~なこんな作業の時にあったらイイな~と
思ってしまうのでありました。



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2016-03-10 (Thu) 13:48 | EDIT | REPLY |   

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